の歴史と伝統を基礎に,進取の精神で次代へチャレンジ

自然史博物館

天然記念物指定動物


アビ アホウドリ イヌワシ
オオサンショウウオ カブトガニ スナメリ
コウノトリ ツシマヤマネコ トキ
ナメクジウオ ヒシクイ マガン
ライチョウ    

スナメリ
Neophocaena phocaenoides




 スナメリ回遊海面として1930(昭和5)年,国の天然記念物に指定された。場所は竹原市阿波南端の白鼻岩を中心とする半径1500mの円内の海面。
 スナメリは,クジラ目ネズミイルカ科に属し,体長は1.5mから1.8m。世界の100種ほどのクジラ類のなかでもっとも小さい。くちばしは丸く,背びれがない。アフリカの南端からインド洋,太平洋に広く分布しており,国内では瀬戸内海のほか有明海,大村湾,三河湾,仙台~東京間にかけて生息しており,それぞれの地域間では交流がないと考えられている。中国では,1500mの揚子江を上った記録がある。
 瀬戸内海では指定当時は数十頭もの群泳を見ることができたが,近年はほとんど見られくなり,これ以上減ると種の存続が危うくなる。環境庁が調べた住民からの情報では,1997年では兵庫県で15回,愛媛県で7回,山口県で5回,広島県で2回の計29回発見され,7月から11月にかけてまったくみられていない。1998年では1,2月のみの調査だが防府市沖で数回だけ見られているにすぎない。
 竹原市沖にはかつては1月から3月下旬のころ繁殖のために回遊してきたようである。 かつてはスナメリの多く見られる時期に付近の人々は,珍しい「スナメリ網代」という漁法で漁をしていた。これは,スナメリに追われて深く潜っていたイカナゴを食べるために海底から出てきたタイやスズキを,混乱にまぎれて釣り上げるといった方法である。えさのイカナゴの減少で,スナメリもいなくなり,この漁法も現在は姿を消した。

pagetop